脳梗塞超急性期治療
- 『脳梗塞は時間が勝負です』『脳梗塞はカテーテルで治療する時代です』
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当院は脳梗塞の超急性期治療に力を入れています。手足の麻痺、しびれ、言語障害、めまい、意識障害などの症状は、発症から6時間以内であれば超急性期治療により改善させられる場合があります。このような症状が出現した場合はすぐに連絡下さい。(045-846-1001)
脳梗塞の超急性期治療は時間が勝負です。脳梗塞になると発作後1分間で190万個の脳細胞が失われます。30分治療が遅れただけで生活自立できる方が10%ずつ減っていきます。そのため、当院では迅速に治療を開始できる体制を整えています。救急外来での迅速な初期治療、迅速な画像診断、訓練された専門スタッフにより全国でもトップレベルのスピードで初期治療が開始できます。tPA静注療法は来院から30分以内、脳血管内治療は来院から60分以内に治療開始可能です。
- ⑴ tPA静注療法(発症から4.5時間以内に可能)
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発症から4.5時間以内であれば、tPAという薬剤を点滴から投与することで閉塞した血管を再開通させられる場合があります。発症からの時間が短いほど症状の改善が期待できます。米国で行われた臨床試験では、この治療を行った約40%の人がほとんど障害のない状態にまで回復しました。重篤な合併症として脳出血(約6%)がありますので、医師が慎重に適応を判断します。
- ⑵ 経皮的脳血栓回収療法(発症から24時間以内に可能)
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脳の太い血管に血栓(血のかたまり)がつまった場合に考慮します。tPA静注療法で効果が認められなかった場合、発症6時間以内の場合に施行可能です。海外の報告では、約80%以上で再開通し、約50-70%の人が自力で歩行可能な状態にまで回復しました。脳出血などを起こすリスク(約10%)がありますので、医師が慎重に適応を判断します。最近の報告では、発症時間不明の脳梗塞でも有効な症例があることがわかっています。
- ①方法
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足の付け根からカテーテルを挿入して脳の血管で治療を行う脳血管内治療の手法を用います。血栓の近くまでマイクロカテーテルを挿入し、そこからステントリトリーバーという血栓回収装置を展開します。ステントリトリーバーに血栓をからめて回収します。当院での再開通率は93%と良好です。
- ②治療例
- ⑶ 血栓吸引療法 (発症から6時間以内に可能) Penumbra System
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脳の太い血管に血栓(血のかたまり)がつまった場合に考慮します。tPA静注療法で効果が認められなかった場合、発症6時間以内の場合に施行可能です海外の報告では、約86%で再開通し、約50%の人が自力で歩行可能な状態にまで回復しました。脳出血などを起こすリスク(約10%)がありますので、医師が慎重に適応を判断します。
- ⑷ その他の方法
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脳血管内治療では、バルーンカテーテルという風船付きのカテーテルで血管の閉塞部位を広げたり、閉塞部位にステントという金属の管を入れて血管を広げる事が可能です。