くも膜下出血

『くも膜下出血には3つの山があります』
概要
 脳の動脈瘤が破裂すると、脳と脳を包んでいるクモ膜の間に血液が出血し、くも膜下出血となります。
典型的な症状は「今までに経験した事のないような、突然の激しい頭痛と嘔吐」です。
最初の出血で、半数の人が死亡してしまいます。さらに、社会復帰できるまで回復する人が4人に1人しかいないという非常に恐ろしい病気です。
最初の出血で助かった場合、さらに3つの山があると言われています。
これを乗り越えなければ成りません。
(1)一つ目の山『再出血』
 一度出血が止まっても、再度動脈瘤が破裂して再出血する場合があります。
一度破裂した動脈瘤には小さな穴があいており、血のりなどで辛うじて穴が塞がれている状態です。
最初の6時間で2.5%、24時間で4%、2週間で20%の人が再出血を起こすというデータがあります。
再出血した場合、半数の人が死亡すると言われています。この再出血を予防するために、全身状態が安定していれば手術を行います。
手術には開頭クリッピング術と脳動脈瘤コイル塞栓術の2種類の方法があります。
動脈瘤の大きさ、場所、形などからどちらが適しているか判断します。
(2)二つ目の山『脳血管攣縮』
 発症してから4-14日目ごろに脳血管攣縮(のうけっかんれんしゅく)があります。
これは脳の表面にでた血液が血管に悪い反応を起こさせ、血管が針金のように細くなることをいいます。
血管が細くなり最悪の場合には詰まってしまいます。脳の重要な太い血管が詰まり広い範囲の脳梗塞を起こすことがあります。
麻痺、言語障害が後遺症として残る場合があり、致死的になる場合もあります。
点滴により血管を広げる治療、血管内治療により細くなった血管に直接血管拡張剤を投与する治療、 直接血管を風船で広げる治療を必要があれば行います。
(3)三つ目の山『水頭症』
 発症してから1ヶ月程度で水頭症になる場合があります。
脳は本来、髄液という水を自ら吸収する能力がありますが、脳の表面にでた血液により脳の水を吸収する能力が低下することがあります。
水が吸収できないと、脳の中に水がどんどんたまっていき脳を圧迫することになります。
これを水頭症といいます。歩行障害、認知症、失禁などの症状がでます。
水頭症は、脳の部屋とお腹の空間を結ぶシャントチューブを体内に埋め込む脳室腹腔シャント術という手術で改善できます。
手術が成功すれば水頭症の症状は改善します。